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【インフラ再考】災害対策の最前線(2)防潮堤、高台移転…地域の選択〝逆転の発想〟で町おこし

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【インフラ再考】
災害対策の最前線(2)防潮堤、高台移転…地域の選択〝逆転の発想〟で町おこし

田老地区で新たに建設が進められている高さ14・7メートルの防潮堤=岩手県宮古市(平田雄介撮影) 田老地区で新たに建設が進められている高さ14・7メートルの防潮堤=岩手県宮古市(平田雄介撮影)

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 「生死を分けたのは、住民の『逃げるか、とどまるか』という判断でした」

 平成23年の東日本大震災で大津波に襲われた岩手県宮古市の田老(たろう)地区(旧・田老町)で、震災の教訓を語り継ぐガイドを務める小(お)幡(おばた)実さん(61)は、つらそうに当時を振り返った。

 かつてあった高さ10メートル、総延長2・4キロの防潮堤は、日本一の威容から「万里の長城」と呼ばれた。しかし、その一部を震災の大津波が破壊しながら乗り越え、181人が犠牲に。小幡さん自身も親戚3人を亡くした。経営していた民宿も跡形もなく流され、生活の基盤を失った。

 田老は明治29年と昭和8年にも大津波に襲われた。「防災の町」として対策を強化してきながら犠牲を防げなかった理由を、「防潮堤本来の役割や住宅の高台移転の重要性を理解できていなかったから」とみる。

 防潮堤はもともと津波から逃げる時間を稼ぐための防災インフラだ。想定を超える高さの津波が防潮堤を乗り越えてくることは以前から注意喚起されていた。3つあるうちの「壊れて役に立たなかった」と言われた防潮堤は高潮対策として設計されたものだった。

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