産経WEST

【正木利和のスポカル】名画ガイド本のすすめ

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【正木利和のスポカル】
名画ガイド本のすすめ

原田マハさんの著書「いちまいの絵 生きているうちに見るべき名画」 原田マハさんの著書「いちまいの絵 生きているうちに見るべき名画」

□    □

 美術記者になったとき、日本画や中国絵画についての知識はいくらかもっていたのだが、西洋美術についてはからっきしだったので、勉強しなければと思って買ったのが、文化勲章を受章した東大名誉教授、高階秀爾さんの「名画を見る眼」(岩波新書)である。

 この本は正続2冊で29作品が紹介されていて、いまもいつでも取り出せるように、仕事場の机に取り付けてある棚の真正面に置いてある。

 正はファン・アイクの「アルノルフィニ夫妻の肖像」から始まり、マネの「オランピア」で終わる15作品、続はモネの「パラソルをさす女」からモンドリアンの「ブロードウェイ・ブギウギ」までの14作品が題材や表現の方法、歴史的な背景などとともに丁寧に解説されている。

 たとえばボッティチェルリの「春」の画面構成は「一見して芝居の舞台を思わせる」という比喩をもちだし「舞台監督としてのボッティチェルリ」になりかわって、画面に描かれた人物たちの立ち位置を紹介してゆく。

 近ごろ、作家の中野京子さんが書いた「恐怖」をキーワードに西洋絵画を読み解く「怖い絵」(角川文庫)のシリーズが脚光を浴びているが、西洋絵画を「理解する」という観点でそちらを参考書とすれば、「名画を見る眼」は、まさに教科書といっていい。

続きを読む

「産経WEST」のランキング