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【虎のソナタ】非情にならねば倒せぬ“平家ゴイ” 義経の命令、「屋島の戦い」に思う虎の来季課題

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【虎のソナタ】
非情にならねば倒せぬ“平家ゴイ” 義経の命令、「屋島の戦い」に思う虎の来季課題

野間と西川に持ち上げられながら、あいさつに向かう鈴木(中央)。胴上げに呼ばれた=甲子園球場(森田達也撮影) 野間と西川に持ち上げられながら、あいさつに向かう鈴木(中央)。胴上げに呼ばれた=甲子園球場(森田達也撮影)

 風が吹く…という。

 それは永田町の世界でも、甲子園という伝統のグラウンドでも何か同じなのか?

 すくなくともこの日の夕刻…2つのグラウンドでは必死になったアスリートの汗が飛び散って勝利をつかんだ。そこには実に平和でサワヤカな虚々実々が展開していて、それを一陣の秋風が招いてくれた。

 午後1時1分にスタートしたメットライフの西武-ソフトバンクは延長十回14-13で西武がサヨナラ勝ちした。そんなことはスコアを見ればわかる…。だが、パはとっくに結末のエンドマークが出たあとの2試合を、互いにベストメンバーで牙をむき、つきかかり、4時間24分かけて西武が勝った。その時、甲子園はすでに広島緒方監督が11度宙に舞ったあと。

 誰もが…必死。

 甲子園のそれは3-2と実に質素な点取りゲームで今季のカープの優勝を象徴し、その勝利は“精進料理”のような味がした。口下手で修辞学をどこかに忘れてきたような緒方監督が、優勝インタビューの途中で感極まって言葉に詰まった。ひと呼吸置いて「頼もしいヤツらだ、本当に!」と選手の方を向いて、そう声をかけたのには熱いものがこみ上げた…。

 しかし、この試合の中身を見ると、いかに指揮官とベンチがつながっていたかがわかる。アノ手この手で1点をとりにいくカープ。最終回の攻撃では、二死走者無しからあえて甲子園という球場にいろんな思い出のある新井貴浩を、優勝決定の“詰めの代打”として演出した緒方監督。新井には真っ二つに分かれたマンモスのどちららも大声援。「かっ飛ばせ新井!」。この大歓声で彼の目は熱いものがあふれていた。

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