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数千年の歴史・中国も注目、“鉄の胃袋”石毛直道氏の「食文化」研究手法に学べ-食の大国・中国に研究組織発足

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数千年の歴史・中国も注目、“鉄の胃袋”石毛直道氏の「食文化」研究手法に学べ-食の大国・中国に研究組織発足

「センター設立で、日中両国の食文化交流が深まれば」と話す石毛直道さん=大阪府茨木市 「センター設立で、日中両国の食文化交流が深まれば」と話す石毛直道さん=大阪府茨木市

 世界100カ国以上で食の調査を続け、「鉄の胃袋」の異名をとる文化人類学者、石毛直道さん(79)の名を冠した研究組織が昨夏、食の大国の中国・北京に設立された。石毛さんの著書や論文を通じて調査手法などを学び、食文化の学際的な取り組みを進めるのが目的で、研究をより発展させるため民俗学の研究が盛んな北京師範大学内への移転計画が進む。(木ノ下めぐみ)

昆虫、爬虫類から豚の鮮血まで 現地人が口にするものはすべて胃袋に

 石毛さんは日本の食文化研究の第一人者で、平成9年から15年まで国立民族学博物館(民博)の館長を務めた。「食は文化である」との視点から、石毛さんが研究に取り組み始めたのは1969(昭和44)年。料理する能力は、他の動物が持たない人間だけが有するものだとの考えが出発点にあった。周囲からは「食は研究対象にならない」と言われ、国の助成事業と認められずに企業の援助を得て研究を続けた。世界約120カ国で各地の集落に入り、昆虫や爬虫類、豚の鮮血まで現地の人が口にするものはすべて胃袋に収める徹底したフィールド重視の調査活動を行い、食文化を研究分野として確立させた。

 そんな石毛さんに、中国の学術団体「中国食文化研究会」などから「中民食石毛直道研究中心(センター)」設立の打診があったのは2年前。「研究者である自分が研究対象になるのは照れくさい」と思ったが、「中国の食文化研究の役に立つなら」と快諾し、自著など約100冊を寄贈した。

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