産経WEST

【衝撃事件の核心】運送業界〝闇制度〟のカラクリ 「運転すればするほど収入に」過労運転、重大事故の温床に捜査のメス

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【衝撃事件の核心】
運送業界〝闇制度〟のカラクリ 「運転すればするほど収入に」過労運転、重大事故の温床に捜査のメス

「個人償却制」と呼ばれる仕組み。運転手が売り上げからあらゆる経費を自己負担する代わりに、客から支払われる運送料の大半が収入となる 「個人償却制」と呼ばれる仕組み。運転手が売り上げからあらゆる経費を自己負担する代わりに、客から支払われる運送料の大半が収入となる

 社長の会社では、運送料の18%が手数料として会社に入り、残りの全額が運転手側に支払われていた。諸経費を差し引いても通常の社員として働くより高額の収入が得られていたといい、月額で正社員の2倍以上の給料が支払われていたケースもあった。

 平成21年ごろから個人償却制での契約を行っていたとみられる。押収した資料を解析した結果、個人償却制の運転手だけで24年7月~今年3月、約8億3千万円の売り上げを計上。このうち約1億5千万円が会社側の利益となっていた。

違法もメリットあれば…

 「運送業界では、以前からあった雇用形態だ」

 個人償却制について業界関係者はこう明かす。

 今回のように、個人償却制は無許可経営のいわゆる〝白トラ〟とみなされ、違法となる可能性もある。それでも形態として長年残ってきたのは、経営者側と運転手側の双方にメリットがあるからだ。

 経営者側としては、ほとんど経費を掛けることなく、受注した仕事をさばくことができる。今回の事件では、トラックのローンも運転手が負担しており、会社側が運転手に掛ける費用は、事実上0円だった。

 一方、運転手側としても走れば走るだけ自身の収入につながる上、会社側とのやり取りを通じて仕事の量やペースをコントロールできる。また、事実上の個人事業主となっているが、1台数千万円の大型トラックは、収入が安定しにくい個人で購入するのは難しい。ローン返済は自己負担であっても、会社名義で契約できるというのは大きな利点といえる。

続きを読む

関連トピックス

「産経WEST」のランキング