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天然記念物「奈良のシカ」奈良市東部で捕獲開始 農作物被害深刻で

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天然記念物「奈良のシカ」奈良市東部で捕獲開始 農作物被害深刻で

わなのおりを設置する奈良県猟友会のメンバーら=31日、奈良市の田原地区(奈良県提供) わなのおりを設置する奈良県猟友会のメンバーら=31日、奈良市の田原地区(奈良県提供)

 国の天然記念物「奈良のシカ」による農作物被害が深刻化していることを受け奈良県は31日、特に被害の多い奈良市東部の田原・東里の2地区で捕獲を始めた。両地区にわなのおりを設置し、来年3月までに最大120頭を捕獲・処分する。昭和32年に天然記念物に指定されて以降、奈良のシカの捕獲は初めて。

 春日大社境内や奈良公園一帯に生息するシカは古来、神の使い「神鹿(しんろく)」として保護され、「奈良市一円(旧都祁村と旧月ケ瀬村を除く)に生息するニホンジカ」として、天然記念物に指定された。

 だが、手厚い保護によって奈良公園外の農山村部での農作物被害が深刻化。県は昨年3月、生息地域を奈良公園を中心とした「保護エリア」と、その外側の「管理エリア」に新たに分類。管理エリアでの捕獲を可能にするため、今年4月に文化財保護法に基づき文化庁に「現状変更許可」を申請、5月に許可された。

 捕獲が始まった2地区は奈良公園から東に約5キロ以上離れており、地区内でも特に農作物被害が多い田畑の近くに、わなのおり計6個を設置した。

 今後は毎年文化庁と協議しながら捕獲頭数を決めるといい、県担当者は「人とシカが共存するために、捕獲頭数を増やす方向で考えていきたい」と話した。

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