産経WEST

楠木正成の味方勢力か!?伊賀の一族「悪党であること」に誇り 「観阿弥は正成の甥」説も 皇學館大・岡野友彦教授講演

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新


楠木正成の味方勢力か!?伊賀の一族「悪党であること」に誇り 「観阿弥は正成の甥」説も 皇學館大・岡野友彦教授講演

楠木正成と名張の関係を岡野友彦・皇学館大教授が語った「ふるさと講座」=三重県名張市 楠木正成と名張の関係を岡野友彦・皇学館大教授が語った「ふるさと講座」=三重県名張市

 「皇學館大学ふるさと講座」が29日、三重県名張市鴻之台の市防災センターであり、同大文学部の岡野友彦教授が「観阿弥(かんあみ)と楠木正成(まさしげ)~中世伊賀・大和・河内・和泉の豪族層」と題して講演。市民ら約90人が聴講した。

 名張ゆかりの能役者、観阿弥(1333~1384年)は、後醍醐天皇の忠臣、楠木正成(?~1336年)の甥(おい)であるという縁戚説がある。岡野教授は説の根拠になっている「観世福田系図」などを紹介した上で、同時代の史料ではなく、創作を指摘する論もあることから、慎重に扱うべきとの考えを示した。

 一方、近年知られるようになった東大寺文書の「東大寺衆徒重群議事書土代」(1340年)などに、伊賀国名張郡の荘園「黒田荘」の人が南朝の拠点であった吉野と盛んに往来していたことや、河内や和泉との姻戚関係を示す記述があることから、「悪党」と呼ばれた正成のネットワークに伊賀地方が組み込まれていた可能性を指摘した。

 同文書には「当国名誉悪党」の記載も見え、岡野教授は「(伊賀地方の一族は)悪党であることを誇っており注目される。悪党は単なる悪い奴らではなく、歴史を次の時代に進める変革者という評価で見直すべきだ」と話した。

「産経WEST」のランキング