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百舌鳥・古市古墳群、4度目の正直なるか 世界文化遺産の国内候補に 今月末に文化審議会

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百舌鳥・古市古墳群、4度目の正直なるか 世界文化遺産の国内候補に 今月末に文化審議会

古墳カレーを前に話す「花茶碗」の中屋麗子さん=20日午後、堺市堺区(猿渡友希撮影) 古墳カレーを前に話す「花茶碗」の中屋麗子さん=20日午後、堺市堺区(猿渡友希撮影)

 平成31年の国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界文化遺産への登録の国内候補を決める文化審議会の世界文化遺産部会が、今月末にも開催される。審議されるのは、25、27、28年に続いて4度目の挑戦となる「百舌鳥(もず)・古市古墳群」(大阪府)など3件だが、近畿で世界文化遺産がないのは大阪府だけとあって、関係者らは“4度目の正直”に期待を寄せている。(江森梓、猿渡友希)

 府と古墳群がまたがる堺、羽曳野、藤井寺の各市でつくる推進本部会議が、今回の応募で力を注いだのは、「価値についてのわかりやすい説明」だ。

 28年に応募した際は、古墳の大きさや形の組み合わせで、埋葬される人の身分や複雑な人間関係を表す「階層性」という古墳の解釈についての説明に重きを置いていたが、文化審議会は「わかりにくい」などと指摘。国内最大規模の「仁徳天皇陵古墳」(墳丘長486メートル、堺市堺区)をはじめ、大小さまざまな形が存在する古墳群は他に例がなく、今回はその「多様性」をアピールするようにした。

 さらに、保存状態の評価を高めようと、28年に59基としていた対象の古墳を、破損しているなど保存状態がよくないものを外して、49基にしぼりこんだ。

 ただ、登録へのハードルは高い。

 国内推薦には古墳群のほか、「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」(青森県など)と「金を中心とする佐渡鉱山の遺産群」(新潟県)が応募しているが、選ばれるのはこのうち1件のみ。

 いずれも複数回の挑戦となるが、前回、審議会から指摘された課題はクリアしているとしており、現時点では「横一線」(文化庁)という。

 近畿2府4県では、「姫路城」(兵庫県)や「古都京都の文化財」(京都府・滋賀県)などがすでに世界文化遺産として登録されており、ないのは大阪府だけ。

 それだけに「大阪にも世界遺産を」と、地元ではこれまで以上に盛り上がりを見せており、古墳をデザインした関連グッズや古墳をかたどったカレーなどが販売されている。また、堺市内の地元企業などでつくる「市民の会」は、講演会などを開き古墳群をPR。会員数は今年6月で2万人を突破した。

 息の長い保全活動のためにも地元の機運醸成は不可欠とされ、推進本部会議の担当者は「大変心強く思っている。登録に向けて追い風になるだろう」と話している。

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