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【インフラ再考】
迫りくる崩壊(4)「身の丈にあう」水道管 サイズを小さく、負担を軽く
240年→大幅短縮
神戸市は老朽化する水道管の交換を加速させようとしている。阪神大震災で甚大な被害を受けた自治体だけに、防災への意識も強い。
今年3月には、更新のペースをこれまでの年間20キロから、平成31年に2倍の40キロに延ばす方針を発表した。埋設された約4800キロにわたるすべての水道管を更新するのに、240年かかると試算されていたが、大幅に短縮させる。
スピードアップができると判断したのはなぜか。その理由のひとつについて、神戸市水道局の林一平事業部長は「ダウンサイジング(小規模化)の効果」による工事費用の削減をあげる。
割安製品を採用
28年まで5年連続で人口が減った同市では今後、郊外を中心に水道水の需要も拡大せず、かつてほど太い口径の水道管はいらなくなるとみられる。そこで、水道管を交換する際は、できるだけ細いサイズに変えることにした。
例えば、200ミリだった水道管の直径を100ミリや75ミリに細くする工夫だ。4月からの工事では、積水化学工業が製造した50ミリの水道管も採用した。
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