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【インフラ再考】
迫りくる崩壊(4)「身の丈にあう」水道管 サイズを小さく、負担を軽く
神戸の市街地から六甲山に向かって急な坂道をバスでのぼり約20分、高台の一画にニュータウンとして高度成長期に造成された町、渦森台(うずもりだい)(神戸市東灘区)はある。緑の多い住宅地の眼下には、瀬戸内海と近年建設が増えたタワーマンションが見える。
「昭和46年ごろに家族で移り住んだときは、周りもファミリー世帯ばかりでにぎやかでしたね。子供も独立し、今は私とこいつ(犬)だけです」
渦森台に住む無職男性(80)は犬を散歩させながら、こう話した。町の人口は約3200人。子育て世帯が多く住んでいた35年ほど前に比べて4割近く減っている。
約半世紀の歳月とともに古くなったこの町の水道管をいま、新品に取り換える工事が急ピッチで進められている。
活発な梅雨前線の影響が薄れ、晴れ間がのぞいた今月6日午後も、作業員が道路をショベルカーで掘り返していた。翌日に地中から引き抜かれた水道管の外側は「厚いさびで覆われ、老朽化の進行をうかがわせていた」(神戸市水道局)。
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