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【関西の議論】伝統「京町家」の重大危機 7年間で5千軒超消滅…異例の罰則付き条例の成否は

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【関西の議論】
伝統「京町家」の重大危機 7年間で5千軒超消滅…異例の罰則付き条例の成否は

「ツー・ナイン・ジャパン」が京都市南区の築約100年の京町家を改修した新研究開発棟。京町家は年々消失しており、市も対策に乗り出している 「ツー・ナイン・ジャパン」が京都市南区の築約100年の京町家を改修した新研究開発棟。京町家は年々消失しており、市も対策に乗り出している

 7年間に5602軒の京町家が消失-。京都市の広報資料に衝撃的な見出しが躍った。京都の歴史や文化、町並みの景観をかたちづくる伝統的木造建築「京町家」。この京町家が危機にひんしているというのだ。背景には相続問題や維持管理などの難しさがあり、京町家をマンションや駐車場に転用する動きが止まらないという。「京町家の消滅が進行することは、京都のアイデンティティーを脅かす重大な危機になりかねない」。こうまで危機感を募らせる京都市は、京町家の所有者に取り壊しの際に、事前に届け出るよう義務化し、違反した場合には罰則を科す条例の制定を目指している。

毎年700~800軒が減少

 京都市は平成28年9月~29年3月、京町家の残存状況を調査した。調査対象は京都市域に残る京町家。市は調査対象の京町家を「昭和25年以前に伝統軸組構法によって建築された木造建築物」と位置づけているが、京町家の定義は実はさまざまだ。

 一般的には「うなぎの寝床」といわれるように奥行きが長く、構造は伝統的な木造。間取りには通り庭、続き間、坪庭、奥庭を保っているなどの建物を京町家と呼んでいる。

 瓦屋根、大戸・格子戸、出格子(でごうし)、虫籠窓(むしこまど)、土壁などを有しており、通りに面して隣の建物と近接して軒を連ねている特徴を持っている。

 この京町家について、戦前に市街化された都心部(主に上京、中京、東山、下京各区)やその周辺(北区、左京区の一部)と伏見区旧市街地、さらに若狭街道や鞍馬(くらま)街道など12の旧街道沿いも対象に、調査を実施。その結果、残存する京町家は4万146軒だった。

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