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【関西の議論】まさに死の疑似体験、大峰山・入峰修行…荒行で知る「現代社会を生き抜くヒント」

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【関西の議論】
まさに死の疑似体験、大峰山・入峰修行…荒行で知る「現代社会を生き抜くヒント」

先達らに両足を持たれ、崖下へ身を乗り出す捨身行「西の覗」。まさに死の疑似体験だ=奈良県天川村 先達らに両足を持たれ、崖下へ身を乗り出す捨身行「西の覗」。まさに死の疑似体験だ=奈良県天川村

 極めつけは、不動明王がまつられた崖下に上半身を乗り出してのぞき込む捨身行「西の覗(のぞき)」。両肩に綱をかけ、先達ら3人に足を持ってもらいながら、崖の極みからつるされる。「親孝行するか?」「仕事をちゃんとするか?」。先達の問いかけに、「はい!」と無我夢中で声を張り上げた。

 引き上げられたときは、腰が抜けてすぐに立ち上がれないほどだった。

極端から「中道」知る

 死を疑似体験することで自分を殺し、生まれ変わる意味合いがあるというこれらの修行。仏教が「極端に走らない中道」を説く一方で、山岳修行はなぜ、これほどまでに厳しいのか。

 大塚さんはこう説明する。「『中道を生きる』とは、単なる教え。実際には、極端に厳しい経験をすることで初めて、真ん中を知ることができる」

 教えをただ言葉として受け取るのではなく、実際に実践する。苦労も喜びも経験することで、ようやく、精神的なバランスも得られるのだろう。

 午後0時半。難所を越え、精根尽きたところで、頂上付近の大峯山寺に到着した。本堂には、修験道の本尊「蔵王権現」がまつられている。全身の疲労を感じながら、「無」の心境で本尊に頭を垂れる。難所を無事に越えられたことに感謝し、修験道を創始した役行者(えんのぎょうじゃ)(7~8世紀)の偉大さに、改めて思いをはせた。

死によって輝く「生」

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