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【東海の議論】
ブラタモリは来たが…マドンナもマイケルも「名古屋飛ばし」 コンサートが会場不足で開けない「30年問題」の深刻さ

以後、来日大物アーティストらの名古屋公演がないことが、機会あるごとに注目された。平成4年3月から9年11月まで東京-新大阪間を走る東海道新幹線「のぞみ」の一部が名古屋駅に停車しないことが「名古屋飛ばし」と言われると、観客やコンサートの関係者にも、そのフレーズが定着するようになったという。
改修相次ぐ大規模施設
名古屋飛ばしの理由について、ある興行主は「名古屋の人は新しいものに対してすぐに飛びつかないが、いったん気に入ると長く応援するという気質がある。スケジュールや採算性も関係するが、そういう気質がアーティスト側を慎重にさせる」と分析する。
一方、市民からは「聴衆は控えめで、盛り上がりが弱いから飛ばされる」「行こうと思えば東京、大阪どちらへも行けるから、名古屋でやらなくてもいい」との声も。
その名古屋の会場不足がより深刻な事態を迎えようとしている。先に紹介した日本ガイシホールと県体育館が30年以降、一時、使用できなくなるのだ。
日本ガイシホールは開館30年を機に平成31年1月から翌年の7月までの予定で改修工事に着手。県体育館は昭和39年開館でさらに古く、平成32年のフットサルワールドカップ開催を見据え、国際的な各種スポーツイベントなどにも対応できる施設に生まれ変わるため、30年から改修に入る。県は毎夏の大相撲名古屋場所開催には影響がないように工事を進めるというが、基本的には使用できなくなる。