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ノーベル賞の大隅さん「常識疑おう」 母校の後輩らに講演 福岡
ノーベル医学生理学賞を昨年受賞した東京工業大栄誉教授の大隅良典さん(72)が10日、出身地の福岡市で講演した。受賞後初めての帰郷講演で、母校である福岡県立福岡高校(同市)の生徒や同窓生に「常識や権威を疑い、自分で考えよう。失敗を恐れず挑戦してほしい」と呼び掛けた。
終了後、福岡県は県民栄誉賞を、福岡市は名誉市民の称号を大隅さんに授与した。
講演は福岡高校の創立100周年記念行事で約3千人が参加。大隅さんは授賞理由である細胞のオートファジー(自食作用)について説明し、研究生活について「たくさんの偶然と幸運が重なり、多くの共同研究者に支えられた」と強調した。
大隅さんは高校時代、化学部に所属。生徒から当時の思い出を聞かれると「化学の勉強をした覚えはあまりない。部室でいろんな試薬を混ぜて遊んでいたというのが一番正しいかな」と苦笑しながら振り返った。