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“ラジオ塔”が新たに東大阪で発見 地域のつながりや防災に有用、専門家「コミュニティーの中心になる」

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“ラジオ塔”が新たに東大阪で発見 地域のつながりや防災に有用、専門家「コミュニティーの中心になる」

東大阪市で新たに確認されたラジオ塔。その存在を見直す動きがあるという 東大阪市で新たに確認されたラジオ塔。その存在を見直す動きがあるという

 昭和初期に全国の公園などに設けられ、地域住民らに情報を伝えた「ラジオ塔」を見直す動きが出ている。一般家庭へのラジオの普及などで役目を終え、“遺物”となったラジオ塔が見つかり、地域のつながりや防災に役立てられているという。専門家も「コミュニティーの中心になる」と期待を込めている。(小泉一敏)

 東大阪市中小阪の大和公園で4月下旬、ラジオ塔が新たに発見された。

 高さ約1・5メートル、幅約2メートルで、一見すると石碑のようだが、正面の中央部分に「大阪中央放送局」と刻まれている。経年劣化の影響で読みにくいものの、建設の経緯も記されている。

 発見した国立民族学博物館元客員教授でメディア史を研究する吉井正彦さん(72)は「昭和初期の人々がどのように情報を得ていたかを示すものだ」と説明。連絡を受けた東大阪市教育委員会も公園の整備記録などから設置経緯の調査を始めた。

 ラジオ塔は、このような石碑に似たものから、灯籠や焼却炉のようなものなど形も幅広いが、中にスピーカーがあり、側面に設置されたボタンを押すと、スピーカーから放送が流れる仕組みだ。

 昭和5年に天王寺公園内に初めて設置され、その後に奈良県の猿沢池周辺や京都府の円山公園などにも設けられた。記録では18年までに全国で約460基に上り、地域の住民らに“街頭ラジオ”として情報を伝えるなどしていたという。

 だが、ラジオの家庭への普及とともに役目を終え、さらには、戦時中の金属供出で姿を消していき、その存在を知る住民も少なくなっていった。

 ただ、活動を続ける塔もある。吉井さんによると、全国で確認されているのは約30基。このうち住吉公園(大阪市住之江区)にあるラジオ塔は平成5年に作り直され、地域の住民がラジオ体操を行うなどして活用しているという。

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