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「奈良のシカ」市内で初の捕獲へ 農林業被害が深刻

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「奈良のシカ」市内で初の捕獲へ 農林業被害が深刻

 国の天然記念物「奈良のシカ」による農林業被害が深刻化しているため、奈良県は、奈良市内で初めてシカの捕獲に乗り出す方針を固めた。春日大社や奈良公園を中心とした主要生息地を「保護エリア」として維持したまま、その周囲の山間部を捕獲による頭数の調整が可能な「管理エリア」に区分する。文化財保護法に基づき文化庁に申請した「現状変更許可」が認められれば、7月にも初めての捕獲が実施される。

 春日大社の境内や奈良公園一帯に生息するシカは古来、神の使い「神鹿(しんろく)」として保護され、昭和32年に「奈良のシカ」として天然記念物に指定された。

 奈良のシカといえば、奈良公園内で草や鹿せんべいをはむ人なつこい姿を思い浮かべがちだが、実は天然記念物としての定義は「奈良市一円に生息するニホンジカ」と幅広い。旧都祁(つげ)村と旧月ケ瀬村を除く市内全域が対象で、奈良公園から離れた山間部に生息するシカも含まれる。

 広範囲で手厚く保護されてきたがゆえに、近年深刻化しているのがシカによる農林業被害だ。野菜や水稲など、平成23年度の市内の農作物被害は31・9トンに上った。県や市は防鹿柵の設置を進めているものの、市内東部の山間部を中心に被害は拡大。県の意識調査では、25年度までの5年間で被害が「増えた」と回答した農業集落は72・5%、林業集落は71・0%と、共に7割を超えた。

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