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【弁護士会 政治闘争(2)】
「何としても安保法案廃案に」SEALDs、野党と〝共闘〟…内部から「多様な意見切り捨てた独善」と批判も
それでも南出は27年7月、日弁連と京都弁護士会を相手取り、政治的中立性を損なうとして、ホームページ上に掲載された意見表明の文書削除などを求めて東京地裁に提訴した。訴訟で日弁連側は「法理論的な見地から安保法制に反対する趣旨の意見を表明した。特定の政治上の主義、主張、目的によるものではない」と強調した。
同地裁は今年2月27日の判決で、強制加入団体の性格を踏まえ「政治的中立性を損なうような活動をしたりすることがあってはならない」と判示。その上で一連の意見表明が「法理論上の見地」から出たとする日弁連の主張を認め、南出の請求をいずれも退けた。
「法理論に絡めれば、どんな政治活動も『何でもあり』なのか。非常識すぎる判決だ」。南出は控訴した。(敬称略) =(3)へ続く
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【用語解説】安全保障関連法 安倍政権が平成26年7月に閣議決定した憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認や、他国軍への後方支援拡大などを盛り込んだ法律。27年9月に成立、28年3月に施行された。自衛隊法や国連平和維持活動(PKO)協力法など10の法改正を一括した「平和安全法制整備法」と、他国軍の後方支援目的で自衛隊を海外に随時、派遣可能にする恒久法「国際平和支援法」で構成する。密接な関係にある他国への攻撃で日本の存立が脅かされる「存立危機事態」、日本の平和に重要な影響を与える「重要影響事態」、国際社会が脅威に共同で対処する「国際平和共同対処事態」を新設した。
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