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【衝撃事件の核心】
常態化していたアジア系留学生の違法労働 行列のできる別格串カツ店が犯した〝禁じ手〟……要因は人手不足と観光客対応
府警は、一門会の社長と店舗統括の責任者(38)、各店舗の店長4人を同法違反(不法就労助長)容疑で書類送検。就学実体がなかった27~31歳のベトナム、ネパール籍の男女3人を同法違反(資格外活動)容疑で逮捕し、22~31歳の留学生14人も同法違反(制限時間超過就労)容疑で書類送検した。
捜査には府警外事課と市内7署も加わり、最終的に23人が逮捕・書類送検された。社長は「就労制限は知っていた。認識が甘かった」と容疑を認めた。
外国人観光客対応の側面も…
一門会によると、同社の売り上げは平成20~26年度で約3倍に増加。現在は年間約200万人が来店し、約40億円を売り上げているという。なぜ、業績好調の人気串カツ店が違法な雇用を続けていたのか。
府警によると、だるまでは昨年11月時点で約120人の外国人を雇用していた。「日本人(の店員)が集まらなかった」。書類送検された店長の1人は、法定基準を超えて働かせていた理由について、こう説明したという。
思うようにアルバイトが集まらず、新たに外国人を雇えば指導に時間や手間がかかる。結果として、すでに店でアルバイトをしていた留学生らが法定基準を超えて勤務したり、そもそも就労資格のない外国人が働いたりすることで、人手不足を補う状態に陥っていたのだ。
外国人を雇用していた要因はほかにもある。同社の担当者は取材に、「人手不足の解消と、外国人観光客への対応の両方の側面があった」と説明した。
大阪を代表するグルメである串カツを求める外国人観光客は多く、多言語への対応が急務となっている。そうした中で、外国語を母語として、日本語も学んでいる外国人留学生らはうってつけの人材だった。