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【人】「将棋も哲学も無理なく私の中に…」阪大で文学修士、将棋棋士の糸谷哲郎八段

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「将棋も哲学も無理なく私の中に…」阪大で文学修士、将棋棋士の糸谷哲郎八段

修士課程修了証書を手にする糸谷哲郎八段=28日、大阪府豊中市の大阪大学 修士課程修了証書を手にする糸谷哲郎八段=28日、大阪府豊中市の大阪大学

 将棋界の「怪物」が新たな称号を手にした。将棋棋士の糸谷哲郎八段(28)が今春、大阪大大学院(文化形態論専攻)の修士課程を修了した。修了式を対局で欠席したため、修了証書は28日に大阪府豊中市のキャンパスを訪れて受け取った。

 「通常2年のところ、6年もかかってしまった。修了できるか最後まで不安だったが、なんとか学位がとれました」

 哲学が将棋に役立つのかとよく聞かれる。「大学の研究が将棋の妨げになることはなかった。哲学が気持ちをリフレッシュさせてくれた。そもそもどちらが主というわけではなく、私の中には両方とも無理なく存在しているんです」。言葉もどこか哲学的だ。

 中高校時代、プロ棋士養成機関「奨励会」でプロを目指しながら本を読みあさり、哲学に興味を持った。「昔から、分からないことを分かりたい衝動が強かった。当然『存在』とか『死』とかは全然理解できなかったが、少しずつ分かってきて」。難解な哲学を読み解く楽しさにはまった。

 プロ棋士になった翌年の平成19年に同大文学部に合格。「学部だけでは不十分」と大学院に進み、ドイツの哲学者・ハイデッガーを研究した。26年に七大タイトルの一つ、竜王を獲得したときは「棋界初の現役国立大大学院生タイトルホルダー」と話題になった。

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