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【関西の議論】「ゴミ屋敷問題」完全解決は“北風”ではなく“太陽”で-大阪市浪速区、粘り強い交渉で解決 “割れ窓理論”で治安は向上

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【関西の議論】
「ゴミ屋敷問題」完全解決は“北風”ではなく“太陽”で-大阪市浪速区、粘り強い交渉で解決 “割れ窓理論”で治安は向上

屋外に張ったブルーシートの“部屋”もごみであふれた喫茶店=大阪市浪速区(同区役所提供) 屋外に張ったブルーシートの“部屋”もごみであふれた喫茶店=大阪市浪速区(同区役所提供)

 「お隣さんからこっちへ流れてくるんです。燻煙(くんえん)殺虫剤を撒いても、しばらくしたら元通りウジャウジャと…。殺虫剤代もバカにならず、本当に苦労しました。ごみを片付けようとすると泥棒扱いされるし、ノイローゼになってここを離れた人もいます」

 区は21年、男性から同意書をとり、ついにごみ撤去にこぎつける。だが、近隣住民が安堵したのもつかの間、翌年にはまた元の状態に。やがて屋外の“ブルーシート部屋”にも寝泊まりするスペースがなくなり、男性はときどきごみの管理に現れるだけで所在不明になった。

〝ごみ屋敷条例〟施行も毎日通い説得

 そんな中で、24年、公募区長の玉置賢司区長が就任。新区長の意を受け、藤澤宗央副区長がリーダーとなって対策会議を設置、ごみ屋敷対策に本腰を入れることとなった。

 対策会議メンバーはまず所在不明の男性の行方探しから着手。離婚した元妻や息子と会って、男性が大阪市西区在住の喫茶店の元従業員男性宅に身を寄せていることをつかんだ。さらに、男性に認知症の症状が出ていることも判明した。

 26年、大阪市で「大阪市住居における物品等の堆積による不良な状態の適正化に関する条例」という“ごみ屋敷条例”が施行され、行政代執行を含む強行措置をとりやすくなったが、浪速区の対策チームはあくまでも話し合いによる解決を目指す。

 「毎日のように通って、ごみの撤去と、医療機関での受診を説得し続けました」と藤澤副区長。28年、男性は病院で診察を受けて認知症と診断され、成年後見人がついて介護施設へ入所。店舗兼住宅の建物は売却されることになり、ごみ屋敷問題は完全解決に至った。

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