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“天下の台所”江戸時代の本膳料理を再現 タイに伊勢エビ…お役人を豪華におもてなし

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“天下の台所”江戸時代の本膳料理を再現 タイに伊勢エビ…お役人を豪華におもてなし

再現された江戸時代の本膳料理。昼夜合わせて9膳あり、食器も1839(天保10)年に作られた物が使われた(宮沢宗士郎撮影) 再現された江戸時代の本膳料理。昼夜合わせて9膳あり、食器も1839(天保10)年に作られた物が使われた(宮沢宗士郎撮影)

 江戸時代、日本最大の商業都市だった大阪の“おもてなし料理”が、残された資料をもとによみがえった。大阪に立ち寄った幕府の役人を接待する本膳料理だけあって豪華な素材が使われており、天下の台所と呼ばれた当時の繁栄ぶりが垣間見える一方で、再現に関わった関係者は、食材の組み合わせなど、現代の調理との共通点の多さに驚かされたという。今後は観光ツアーなどで提供できないか検討している。

 役人をもてなし

 蒸した伊勢エビにタイの塩がま焼き、アワビの膾(なます)、フルーツの盛り合わせ-。大阪くらしの今昔館(大阪市北区)が2月8日に開いた「『上方の生活文化』を考えるシンポジウム」で披露された料理に、参加者からは「これで1人分とは、ものすごいぜいたく」と感嘆の声が上がった。

 「江戸時代、瀬戸内海や河川を通じて物が集まる大阪は正に日本経済の中心地。観光客も大勢訪れただろう」と語るのは同館の谷直樹館長(68)。当時の大阪の食文化を知ってもらおうと料理の再現を計画し、府立中之島図書館にある資料から1813(文化10)年秋に道修町(同市中央区)で長崎奉行所の役人に出された本膳料理の献立表を発見した。

 谷館長によると、江戸と長崎を往復する際に道修町に立ち寄る役人をもてなすために、周辺の町民がお金を出し合っていたという。本膳料理は武家に出す当時の最も豪勢な食事で、町民は食べることはなかった。谷館長は「上方の食を江戸のお役人に見せてやろうという町民の心意気だ。現代にも続くおもてなしの心ともいえる」と捉える。

 観光客に提供も

 資料をもとに料理を作ったのは、谷館長から依頼を受けた日本料理「かこみ」(同市北区)の店主、栫山(かこいやま)一希さん(34)だ。見つかった献立表は秋のものだったため、文献をあたって当時の初春の食材を調べ、秋にも出されていたタイや伊勢エビ、ハモなどを使って献立をアレンジした。また、現代の調理器具は使わず、「浜焼」と書かれたメニューは簡単に火をつけられるわらを使うなどできるだけ当時の調理法を再現することにこだわった。

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