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【関西の議論】イメージと随分違う忍者の“真の姿”…甲賀・伊賀の忍術を集大成した秘伝書「万川集海」を読み解く

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【関西の議論】
イメージと随分違う忍者の“真の姿”…甲賀・伊賀の忍術を集大成した秘伝書「万川集海」を読み解く

まだまだ進む忍者研究

 万川集海の命名の由来について、完本では「伊賀甲賀十一人の忍者の秘せし忍術忍器、並びに今代の諸流(中略)、又和漢の名将の作れる忍術の計策等(など)、あまねくこれを集め」た書である、つまりさまざまな忍術流派の「川」が、すべて大海に流れ込んだ広大な書として名付けられた-と説明されている。

 また、国立公文書館内閣文庫の蔵本の万川集海には「延宝四(1676)年」に「江州甲賀郡隠士藤林保武」が序文を記した-という記述があり、全体の著者とも考えられるという。

 この藤林保武について、中島さんは「伊賀では『藤林家』は有名だが、『甲賀五十三家』に藤林姓がみられないので、保武は『万川集海』を著したころ、甲賀で隠棲していたのではないか」とみる。

 また、甲賀と伊賀の忍術を集大成した大著が完成したことについて、「甲賀と伊賀が一体となって時代の流れに抵抗し、独自の盗賊術や潜入術などを『生きるための忍術』として体系化していったことのあらわれではないか」とも分析。「忍術として今紹介されているものの中には、後世に、想像からイメージがつくられたものも少なくない」と話す。

 中島さんは、忍術を生き延びるための「総合生活術」と位置づけ研究を進めており、今後も忍者の“真の姿”の解明が進みそうだ。

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