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日本古来の伝統色「茜」復活へ 奈良・五條のNPOがブランド化目指す

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日本古来の伝統色「茜」復活へ 奈良・五條のNPOがブランド化目指す

 古来の伝統色「茜(あかね)」を復活させようと、現在は確保が困難な染料、日本茜の栽培に奈良県五條市のNPO法人が取り組み、順調に増殖中だ。江戸時代に初演の人形浄瑠璃で「大和五條のあかね染」とも語られることにちなむ試みで、茜染めの工房を新年度に開設することを計画。関係者は「『五條赤根(茜)』としてブランド化したい」と、伝統文化の継承と地域活性化の一石二鳥に期待している。

 茜はつる性多年草で赤い根が染料となる。古くから使われ、「万葉集」の歌にある枕詞(まくらことば)「あかねさす」でも知られるほか、春日大社(奈良市)の国宝「赤糸威大鎧(あかいとおどしよろい)(竹虎雀飾)」(鎌倉時代)なども茜が使われているとされる。だが、染めは技法が難しいために廃れたといい、最近は茜そのものも入手が難しいという。

 染料に使えるようになるまで数年かかる日本茜を栽培しているのは、地域活性化に取り組む五條市のNPO法人・大和社中(山本陽一理事長)。浄瑠璃の「艶容女舞衣(はですがたおんなまいぎぬ)」に語られることなどから4年ほど前から活動を始め、自生地で見つけた茜を生かして挿し芽をしたり種をまくなどし、今では数百株に増えたという。

 昨秋には初めて本格的に収穫。この根を使って染めた京都市の染色家で染織史家の吉岡幸雄さん(70)は「ゆかりの地ではうまくいくもので、地域活性化にもなる。みなさん熱心に取り組まれており、成功している」と語る。

 大和社中のメンバーらは今後、さらに株を増やして育てるとともに、工房を設けて茜染めの小物を商品化することを目指すという。

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