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【西論】将棋ソフト不正騒動 名誉・信頼“人間力”で回復導け

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【西論】
将棋ソフト不正騒動 名誉・信頼“人間力”で回復導け

羽生善治3冠との対局前、日本将棋連盟の佐藤康光会長(左)と話す三浦弘行九段=13日午前、東京都渋谷区の将棋会館 羽生善治3冠との対局前、日本将棋連盟の佐藤康光会長(左)と話す三浦弘行九段=13日午前、東京都渋谷区の将棋会館

 真相はともかく、処分をめぐっては、升田と同じ関西の棋士らを中心に「厳しすぎる」との反発が広がり、一時は関西の理事全員が辞表を提出、将棋界は東西分裂の危機に。事態の収拾は、一方の当事者であり、時の第一人者でもあった木村に一任された。

 最終的に木村が下した裁定は「升田の処分は白紙に戻す」「理事の辞表は受理しない」というものだった。自分が悪者になっても名人の権威を守ろうとした升田、対局拒否という“侮辱”を受けながら不問に付した木村。事の善しあしは別にして、人の心を動かす知恵、勇気、信念、包容力などを兼ね備えた“人間力”で危機を乗り切った形だった。

 ◆竜王戦“やり直し”も

 陣屋事件と今回の騒動を同列に並べるわけにはいかない。しかし、今回は、対応が後手にまわって右往左往する連盟側の醜態が目につき、“人間力”が発揮された場面は見られなかった。

 連盟の最大の財産は、常人の理解を超えた英知と胆力を備えた棋士という人材だ。その名誉を守れなければ、組織は棋士らからそっぽを向かれ、世間からも軽視されて崩壊に向かいかねない。

 先述したように、真の名誉回復には三浦九段自身も「結果」を出すことが求められる。連盟にできることは、ただでさえ重圧を感じている三浦九段が将棋に専念できる環境を整えることだ。

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