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【西論】将棋ソフト不正騒動 名誉・信頼“人間力”で回復導け

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【西論】
将棋ソフト不正騒動 名誉・信頼“人間力”で回復導け

羽生善治3冠との対局前、日本将棋連盟の佐藤康光会長(左)と話す三浦弘行九段=13日午前、東京都渋谷区の将棋会館 羽生善治3冠との対局前、日本将棋連盟の佐藤康光会長(左)と話す三浦弘行九段=13日午前、東京都渋谷区の将棋会館

 また、対局は「棋士の命」とされ、タイトル戦に出場することは全棋士の夢だ。それらの機会を奪われた苦痛は計り知れず、不名誉の極みでもある。佐藤会長は就任会見で「三浦九段の名誉回復と将棋界の信頼回復に努めていきたい」と決意を述べたが、この難題にどう対処していくのか。ファンは温厚で正義感が強く人望も厚いといわれる佐藤会長の総合的な“人間力”に注目している。

 ◆陣屋事件

 過去にも将棋界を大きく揺るがした事件があった。昭和27年2月、神奈川県秦野市の陣屋旅館で行われる予定だった第1期王将戦第6局で、升田幸三・実力制第四代名人が木村義雄十四世名人との対局を拒否。事態を重くみた連盟理事会は升田に1年間の公式戦出場停止処分を下した。いわゆる「陣屋事件」である。

 対局拒否の直接の理由は、前日に旅館に到着した際、出迎えがなかった非礼に升田が腹を立てたということだったが、その裏には複雑な背景があった。

 この時点で升田が4勝1敗と王将位獲得を決めていたが、そのとき同棋戦は勝負が決した後も必ず第7局まで指され、しかも3勝以上差をつけた勝者には「半香落ち」という特殊な規定があった。ハンディなしという「平手」と「香落ち」で勝負するハンディ戦を交互に行うルールで、当時名人だった木村に対し、八段で「格下」だった升田がハンディを負って戦うということで注目を集めていた。

 その升田は、この制度導入の際、名人の権威に傷がつくと強く反対していたという。こうしたことから、旅館の出迎えがなかったことを口実に対局を拒否したのでは-との見方が定説だ。

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