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【動物園を再生する(中)】
動物園クイズ王、文科省官僚、NPO代表、…異色の経歴支える「勇気」
数々の改革で来園者数のV字回復を遂げた天王寺動物園(大阪市天王寺区)だが、その立役者でもある牧慎一郎さん(45)の経歴は実にユニークだ。元文部科学省の官僚で、「テレビチャンピオン」の動物園クイズ王にも輝いたことも。異色の園長のルーツとは。(聞き手 吉国在)
妻と一緒に動物園・水族館巡り、きっかけは1冊の本
--動物園に興味を持ったきっかけは
牧 実は、子供のころから「動物園マニア」だったわけではないんです。興味を持ったのは大人になってからでした。結婚してまもない頃、本屋でたまたま、青柳昌宏さんが書いた「ペンギンたちの不思議な生活」という本を見つけて、読んでみると、ペンギンって「すごく魅力的な生き物だ」と思ったんです。それから妻と一緒にペンギンを中心に動物園や水族館を回ったのがスタートでした。
--どこが面白かった
牧 ペンギンはあんなにかわいらしいのに、実は野性味あふれる動物だったんです。しかも、全国各地の動物園で見せ方が違う。
--例えば?
牧 天王寺動物園の場合、氷をイメージした白い床の飼育舎でフンボルトペンギンを飼っていますが、実際は寒い場所には生息していません。日本人のペンギンに対するイメージで白い床にしているんでしょうね。