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和歌山でニホンジカの夜間銃猟スタート…農作物被害から守れ

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和歌山でニホンジカの夜間銃猟スタート…農作物被害から守れ

駆除対象となるシカ(県農業環境・鳥獣害対策室提供) 駆除対象となるシカ(県農業環境・鳥獣害対策室提供)

 和歌山県が全国に先駆けて昨年実施したニホンジカの夜間銃猟が、今年も今月中旬から田辺市や紀美野町など4市町で順次始まる。全国一の生産量を誇るミカンなどの農作物を食べるなどの被害は深刻化し、平成27年度のシカやイノシシなど鳥獣害による農作物被害額は約3億4300万円。3年ぶりに増加に転じた。県農業環境・鳥獣害対策室の担当者は「夜間銃猟で農産物を守る一助になれば」と期待を寄せている。

 同室によると、全体の鳥獣害被害のうち、シカは約5400万円を占め、ミカンなどの柑橘(かんきつ)類の葉や皮を好んで食べ、木を枯らしてしまうこともある。

 シカが多く目撃されている田辺市では同年度約1200万円、紀美野町では約150万円の被害となったほか、紀南地方では線路内に入ったシカと列車が接触する事故も多発し、JR西日本和歌山支社によると昨年は約400件発生したという。

 県は昨年の2月と3月、全国で初めてニホンジカを対象とした夜間銃猟を開始。田辺市、すさみ町、古座川町の指定区域の山間部で実施し、猟師4人が従事した。

 今年は田辺市と古座川町のほか、日高と紀美野の両町の指定区域でも実施。一般社団法人「県猟友会」に委託し、所属する猟師が駆除する。シカの習性として、冬場の夜間は食事のため動きが活発化し、より多く捕獲できるメリットがある。周囲に民家や人がいない山中で、近くの林道などを交通規制し、餌で誘い込んだシカを約30~50メートル離れた場所からライフルや散弾銃で狙撃する。

 昨年は、初めての夜間銃猟に猟師が慣れていないこともあり、捕獲頭数は6頭にとどまったが、今年は猟師を6人に増やして臨む。

 県の年間の目標捕獲頭数は1万6千頭で、夜間銃猟では期間中に計120頭の捕獲を目指している。同室の担当者は「昨年の教訓を生かし、全体の捕獲数を増やせるように努めたい」としている。

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