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パーキンソン病治療、他人のiPS細胞で30年度の治験目指す 京大CiRA高橋淳教授

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パーキンソン病治療、他人のiPS細胞で30年度の治験目指す 京大CiRA高橋淳教授

他人由来のiPS細胞の移植手術の流れ 他人由来のiPS細胞の移植手術の流れ

 人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使ったパーキンソン病の治療を研究している京都大iPS細胞研究所(CiRA(サイラ))の高橋淳教授は3日、他人の細胞から作ったiPS細胞による治療の実用化へ向け、平成30年度の治験開始を目指すことを明らかにした。

 他人由来のiPS細胞をめぐっては、理化学研究所などによる網膜移植の臨床研究について厚生労働省が了承。厚労相が2日付で通知を出している。

 高橋教授によると、拒絶反応が起きにくい免疫型を持つ健常者の血液からあらかじめ作製し、ストックしていたCiRAの再生医療用のiPS細胞を使用。今後の実用化段階では、iPS細胞から作製した神経前駆細胞を、パーキンソン病患者の脳内に注入して移植する方法で手術を行う。

 CiRAでは、患者自身のiPS細胞を使った臨床研究も検討したが、高橋教授は「患者自身のiPS細胞を使用する計画はコストや時間のめどがたたなかった」と説明。結果的に他人のiPS細胞を使う方が実用化への早道になると判断したという。また、ストック細胞を使うことで費用や移植までの期間が縮減できることが期待され、高橋教授は治療費を数百万円レベルに抑えることを目標とした。

 計画では、国から医薬品医療機器法(旧薬事法)に基づく承認を得られれば、大日本住友製薬(大阪市)がiPS細胞由来の神経細胞を再生医療用に製品化する方針。

◇パーキンソン病

 脳内で情報を伝える「ドーパミン」という物質をつくる神経細胞が少なくなるなどし、運動などに支障が出る難病。現在は薬剤による治療が一般的だが、完治できる治療法がないという。

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