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【芸能考察】人種差別と抜け目ない金儲けの歴史…米黒人音楽の殿堂を語り尽くす超豪華な巨大本「コンプリート・モータウン」のスゴさ

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【芸能考察】
人種差別と抜け目ない金儲けの歴史…米黒人音楽の殿堂を語り尽くす超豪華な巨大本「コンプリート・モータウン」のスゴさ

すべてが規格外のボリュームの超豪華本「コンプリート・モータウン」(河出書房新社)http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309277202/ すべてが規格外のボリュームの超豪華本「コンプリート・モータウン」(河出書房新社)http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309277202/

 とはいえ、どんなビジネスも理想やきれい事だけで回るはずはない。ラジオ曲で自分たちの楽曲をたくさんオンエアしてもらうなど、事を有利に運ぶため、レコードの配給業者やプロモーションの担当者はほとんど全員白人を雇うという明快過ぎるやり口に、当の黒人たちから批判が出たことも。

 その後、英国に楽曲を売り込み新市場を開拓。72年にはハリウッドを抱えるロサンゼルスに本社を移転すると同時に、テレビや映画といった映像メディアにも触手を伸ばす。

 しかし金儲け一辺倒になったことに加え、故郷を捨ててロスに本社を移転したことで社内に亀裂が…。それが理由でもないのだが、結局、ゴーディ・ジュニアは会社を処分することにし、94年、ポリグラムに売却された。

 そういった濃厚な物語が全10章にわたり淡々と語られていくわけだが「廊下、階段の吹き抜け、壁のそば、トイレでレコーディングしたことさえあったわ」(ダイアナ・ロス)といった苦労話とゴーディ・ジュニアを持ち上げる記述や証言が目立ち、個人的には少々興ざめ。

 とはいえ、100人以上の証言者の生々しい声を織り込み、モータウン所属のスターたちの私生活や録音スタジオでの様子をとらえた貴重な写真や、珍しいシングル盤、LPジャケットの写真など計約1000点を収めた本書の意義は格別だ。

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