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【ビジネスの裏側】サイバー攻撃対策で“ビジネス戦争” 「防御せよ!」家電メーカー、ソフト会社入り乱れ

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【ビジネスの裏側】
サイバー攻撃対策で“ビジネス戦争” 「防御せよ!」家電メーカー、ソフト会社入り乱れ

トレンドマイクロが昨年公開した、車のカーナビゲーションに不正な表示を出したり、ライトを点滅させたりするデモンストレーション。こういったデモもウイルス対策ソフトの作成に役立っている(板東和正撮影) トレンドマイクロが昨年公開した、車のカーナビゲーションに不正な表示を出したり、ライトを点滅させたりするデモンストレーション。こういったデモもウイルス対策ソフトの作成に役立っている(板東和正撮影)

 パナソニックが4月にも、インターネット接続機能を持つ家電や自動車のウイルス感染を24時間態勢で遠隔監視する有料サービスを始める。10年以上にわたる研究開発の成果を生かし、満を持してのサイバーセキュリティー事業参入だ。IoT(モノのインターネット)の広がりでサイバー攻撃への危機感は高まっている。ソフト会社も技術開発を加速しており「ビジネス戦争」は激化している。(板東和正)

最初はファクス

 「ファクスへのハッキングをどうやって防ぐんだ」

 「サイバー攻撃」という言葉が今ほどには浸透していなかった平成12年ごろ、パナソニック本社で、同社製のファクスやプリンターをサイバー攻撃からいかに守るかについて議論が繰り広げられていた。

 ネットを介してデータをやり取りする、これらの機器は「最初のIoT製品」とされる。ウイルス感染による印刷データの漏洩(ろうえい)が懸念されていた。

 パナソニックは独自の防御ソフトを導入したプリンターを販売した。しかし「性能の高い防御ソフトを導入すると、価格が競合メーカーより高くなるのが悩みの種だった」と当時を知る同社の松尾正克IoTサイバーセキュリティ事業推進室室長は話す。

 同社は安全性と低コストの両立に挑み、監視カメラや決済端末などにも相次いでソフトを導入していった。こうして蓄積したノウハウは、ウイルス感染を遠隔監視する技術に生かされ、自動車や家電メーカー向けの有料サービスへと発展した。

530億個のリスク

 調査会社IHSテクノロジーは、家電や車、産業向けを含めたIoT製品が32年に世界全体で約530億個となり、25年の3倍超に増えると推定している。

 サイバー攻撃の標的が格段に増えることになるが、対応策がないメーカーも目立つ。このため、一から対策を講じるよりもコストを抑えられるようパナソニックのサービス導入を検討する企業も多いという。

 一方、IoTを取り入れたインフラや工場をサイバー攻撃から守るビジネスに参入した企業も存在する。

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