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平均年齢65歳のベンチャー、NASAに製品を納入 大阪・大東市の「アクアテック」社長は90歳

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平均年齢65歳のベンチャー、NASAに製品を納入 大阪・大東市の「アクアテック」社長は90歳

従業員たちとポンプの機能について話すアクアテックの玉川長雄社長(右から2人目) =大阪府大東市 従業員たちとポンプの機能について話すアクアテックの玉川長雄社長(右から2人目) =大阪府大東市

 社長が90歳、社員の平均年齢が65歳のベンチャー企業が大阪府大東市にある。ポンプの開発を行う「アクアテック」だ。大手メーカーでの豊かな経験を生かし、NASA(米航空宇宙局)の宇宙実験用に製品を納めるほか、近年は再生医療分野にも進出した。政府が「1億総活躍プラン」で高齢者の就労促進を掲げる中、玉川長雄社長は「働けるシニア世代が家にこもるのはもったいない」と話し、“現役世代”として支えていく考えだ。(安田奈緒美)

当初は金物屋に「置いてくれ」

 「開発のテーマを示すだけで、細かい指示をしなくても経験と知識でアイデアが出てくる。これがシニアの社員の魅力です」

 玉川社長はアクアテックの長所をこうアピールする。ポンプの開発ではすでに日本で22件、アメリカで1件の特許を取得。洗車機からインクジェットプリンタ、人工透析、再生医療に欠かせない細胞培養まで幅広い分野で使われるポンプを販売してきた。

 玉川さんはかつて松下電器産業(現パナソニック)でオーディオブランド「テクニクス」の開発に携わった技術者。定年退職後に技術顧問を務めた企業から依頼され開発したポンプで特許を取得し、平成9年、71歳で会社を興した。

 起業のきっかけとなったチューブ式ポンプ「リングポンプ」は、液体の入ったチューブを偏芯した大きなリングを回転させて圧迫し、液体を押し出す仕組みだ。従来型は複数のローラーでチューブをしごくので劣化が早く、また、小型化が難しいという欠点があり、その問題を解決した。

 画期的な製品だったが、当初は売り込み先が見つからず、金物屋に「置いてくれ」と頼んだことも。「技術屋だから営業のことが分からなくて」と振り返る。

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