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【関西の議論】“廃虚化”する軍用墓地、英霊を祭る「歴史遺産」として残せるか…遺族高齢化で分岐点

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【関西の議論】
“廃虚化”する軍用墓地、英霊を祭る「歴史遺産」として残せるか…遺族高齢化で分岐点

明治時代に建てられた墓碑も並ぶ「深山陸軍墓地」=和歌山市 明治時代に建てられた墓碑も並ぶ「深山陸軍墓地」=和歌山市

 戦後は大蔵省財務局から市町村などに払い下げられたケースが多いという。各地では自治体の委託を受けて遺族会などが管理をしてきた。

 軍用墓地の歴史に詳しい佛教大の原田敬一教授は、墓地の荒廃に関して「全く朽ち果ててしまった墓地の数はそれほど多くはないと思うが、遺族が亡くなっていることが一番の理由でしょう」と話す。

 兵士らは、軍用墓地と一族の墓の両方に祭られていることが多いといい、原田教授は「遺族であれば陸軍墓地にも祭られているという意識があるが、代替わりすると家の墓地だけ参るケースもあるのではないか」と推測する。

慰霊の訪問が絶えない墓地も

 荒廃が顕著な深山陸軍墓地などとは対照的な墓地もある。大阪市天王寺区の「真田山陸軍墓地」はボランティアによって維持管理されている。

 明治4年に設置された同墓地は、約5千基以上の墓碑が並び、全国で最も古い歴史を持つ。国から大阪市に無償貸与され、遺族の関係者らによる「真田山陸軍墓地維持会」が清掃活動などを行っている。同会は平成25年に大阪府から公益財団法人の認可を受けた。

 遺族はもうほとんど残っていないが、毎年10月には慰霊祭を取り仕切り、ボランティアらの協力を得て除草や清掃活動も実施。墓標についても、2年前から年間50基を目標に修繕を行っている。

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