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【関西の議論】“廃虚化”する軍用墓地、英霊を祭る「歴史遺産」として残せるか…遺族高齢化で分岐点

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【関西の議論】
“廃虚化”する軍用墓地、英霊を祭る「歴史遺産」として残せるか…遺族高齢化で分岐点

明治時代に建てられた墓碑も並ぶ「深山陸軍墓地」=和歌山市 明治時代に建てられた墓碑も並ぶ「深山陸軍墓地」=和歌山市

 戦没者らを祭る全国の軍用墓地。戦後70年が過ぎ、雑草などが生え放題で墓石が倒れているような墓地もあれば、維持管理する市民団体が公益財団法人として行政から認定を受けるケースなど、状況はさまざまだ。遺族も極端に減り、慰霊そのものの形も分岐点を迎えている。軍用墓地のあり方は変化していくのか。各地の取り組みを追った。(地主明世)

忘れられた墓地

 昨年12月24日、和歌山市議会の議員ら約20人が市内の森林公園内にある「深山陸軍墓地」を視察に訪れ、墓石に手を合わせて周辺の清掃などを行った。

 墓地周辺は日露戦争時、由良重砲兵連隊の連隊本部が置かれていたという。同隊は紀淡海峡防衛のために配備され、旅順攻略戦にも参加した。墓地にはその際の兵士らも祭られているとみられる。

 市議らに同行した和歌山偕行会の奥野耕三副会長は「こんなにたくさんの方が訪れたのは、ずいぶん久しぶりのことだったでしょう」と感慨深げに話した。

 同会は旧陸軍将校と元幹部自衛官によって構成されている。同墓地の存在を知ったのは最近のことで、昨年10月に会長ら4人で訪問したのが初めてだった。

 雑草の中に墓碑が倒れているなど荒れ果てた状態だったといい、以降は環境改善に向けて周知活動を行ってきた。今回の視察もその活動を受けてのものだ。

 かつては遺族ら「深山会」が清掃など行い墓地を管理していたが、高齢化などで現在は活動していないとみられ、奥野副会長も「遺族を探したが見つけられなかった」と打ち明ける。

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