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【関西の議論】
どうなる?和歌山「お城の動物園」 珍しい城内の園、移転計画に市民は…
ロゴの作成や園長選挙、シンポジウムなど、100周年記念行事がめじろ押しだった昨年度は来園者数10万人を突破した「和歌山公園動物園」(和歌山市)。ツキノワグマのベニーを代表に「お城の動物園」として親しまれる一方、国史跡・和歌山城に関する現行の整備計画では将来的な移転が定められている。市は昨年度から整備計画の見直し作業に着手しており、今年度中に終了する予定だが、動物園の今後はいかに? (地主明世)
アンケートの設置
「動物園は本来お城の敷地内から出て行かなければなりません。このことをご存じでしたか?」
3月末、園長・ベニーの冬眠明けに合わせて熊園舎前に設置された来園者アンケートの最初の質問だ。
市はアンケートの設置期間は設けず、市民に広く実情を周知し、動物園の今後について意見を聞くことを目的としている。年内にいったん結果をとりまとめ、史跡整備に関して文化庁とやりとりをする中で活用する予定だという。
1歳の息子と一緒に訪れた和歌山市内の主婦(32)は「知らなかった」と驚いた様子。「動物園は気軽に子供と遊びに来られる場所。小さい頃には学校の遠足でお城に行くのと同時に訪れ、歴史も一緒に学べたのですが…」と複雑そうな表情を浮かべた。
動物園の歩み