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国宝・松江城「天守雛形」の謎…国内最古説も製作年不明、現天守と異なる細部 市が本格調査へ

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国宝・松江城「天守雛形」の謎…国内最古説も製作年不明、現天守と異なる細部 市が本格調査へ

本格的に調査される松江市指定文化財の模型「松江城天守雛形」 本格的に調査される松江市指定文化財の模型「松江城天守雛形」

 「雛型には、付櫓石垣の裏側部分に墨書があり、大工の人数などが記されている」と、市の松江城調査研究委員を務める和田嘉宥・国立米子高専名誉教授(建築史)が説明する。「ただし、年代を特定する記述はなく、書かれた人数も、改修に携わった者にしては少なく、模型製作に当たった数とすれば多すぎ、よく分からない」

 また、屋根装飾のひとつ「破風(はふ)」が現天守と微妙に異なる部分もあるなど、多くの謎を含んでいる。

 全国に目を向けると、江戸時代にまでさかのぼる天守模型の製作例は全国で8点しか残っておらず、国宝天守では唯一。年代が分かっている模型は、宇和島城天守模型の1860(万延元)年が最も古いため、松江城天守雛型の製作時期が寛永年間だと立証できれば断トツで国内最古の天守模型となる。

 「最古かどうかはともかく、天守の歴史に迫る多くの手がかりを持つ資料であることは間違いない」と松江城調査研究室。今年度以降、本格調査する考えで、「柱には番付などが確認されており、雛形を解体調査することなどができれば、興味深い結果が得られるかもしれない」と期待する。

(小林宏之)

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