産経WEST

【西論】「義」の人・楠公さん、大阪の誇り 「遺産」ゼロ脱却へ

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【西論】
「義」の人・楠公さん、大阪の誇り 「遺産」ゼロ脱却へ

少年時代に学んだ観心寺の山門近くに立つ楠木正成像=大阪府河内長野市 少年時代に学んだ観心寺の山門近くに立つ楠木正成像=大阪府河内長野市

 「商都」と呼ばれ、難波宮が置かれて実際に首都だった歴史もある大阪府に、足りないものがある。世界遺産と日本遺産である。2つの遺産が全くない不名誉は、畿内では大阪府だけのものだ。

 現在の畿内の世界遺産は5件。古都京都の文化財、古都奈良の文化財、法隆寺地域の仏教建造物、紀伊山地の霊場と参詣道、姫路城で、古都京都の文化財に比叡山延暦寺が含まれるので、大阪府だけが畿内で唯一、世界遺産不在となる。

 ならば日本遺産は、となるが、これも本年度、藤井寺市と河内長野市が挑戦して落選し、ゼロの状態が続いている。

 日本遺産は、平成27年度から文化庁が始めた認定制度である。地域の歴史的魅力や特色を通じて日本の文化・伝統を語るストーリーを認定するもので、ストーリーを彩る文化財群を整備、活用することで地域の活性化を図ろうという狙いがある。これまでに全国で37件が認定されている。

 文化庁は、32年度までに100件の認定を目指している。32年度といえば東京五輪開催の年だ。ということは、文化庁がめざす地域の活性化とは主に、国内外からの集客のことで、その認定がないとは、人が集まる魅力のない都道府県と同義になる。府内の自治体の奮起を促したいゆえんである。

 ◆現代に通じる博愛精神

 こうした現状のなか、日本遺産登録に再挑戦する河内長野市を応援したい。鎌倉末期から南北朝時代に活躍した武将、楠木正成・正行(まさつら)親子をテーマにした申請をめざし、親子にゆかりのある千早赤阪村、富田林市、四條畷市、島本町、神戸市(兵庫県)とともに準備を進めているからだ。

続きを読む

関連トピックス

「産経WEST」のランキング