【世界を読む】中国の野望を止められるか、南シナ海問題で米が異例対応「衛星写真」「偵察データ」…機密情報を大公開
しかし、元米国務省幹部は「米国が優位性を保てる分野でその能力を意図的に示し、抑止力としてエスカレーションの抑止や不要な衝突を避ける戦略もある」と指摘する。
世界最強の軍事力を誇る米国の警鐘を無視して軍事拠点化を図る中国を抑えるために、その情報能力を明らかにし、中国への反対姿勢を示す国際世論を高める狙いがあるとみる関係者もいる。
中国を止める手立ては…
中国がベトナムなどと領有権を争う南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島周辺にミサイル駆逐艦を派遣する「航行の自由」作戦も実施しているが、中国が軍事拠点化を控える気配もない。
日本外務省幹部は「習近平国家主席の権力は非常に強い」と指摘し、米軍の作戦実行でも対応を軟化させる気配はないとみている。「既成事実を積み重ねて主権を主張する手法だ」とも強調する。
経済力を身に付けた中国共産党にとって、軍事力強化は共産党政権の安定にもつながる。日本政府高官は「今の中国を止める手が見つからない」と嘆く。