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【カープ優勝パレード】被爆者も喜びかみしめ 焦土の広島で「希望の星」、生きがい得る

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【カープ優勝パレード】
被爆者も喜びかみしめ 焦土の広島で「希望の星」、生きがい得る

昭和55年の広島カープのリーグ優勝を記念したバス乗車券を、大切に保管している田川康介さん=広島市 昭和55年の広島カープのリーグ優勝を記念したバス乗車券を、大切に保管している田川康介さん=広島市

 原爆投下で焦土と化した広島にとって、カープは「希望の星」だった。17歳の時に被爆し、証言活動を続ける元国鉄職員の田川康介さん(88)=広島市=は、昭和50年以来の優勝パレードの日を迎えた。高齢のため今回は見に行けないが、25年ぶりのリーグ優勝に「カープは生きがいで、涙した」と、喜びをかみしめている。

 昭和20年8月6日。爆心地から約2・3キロの地点で被爆した。旧国鉄の機関区があり、仕事を終えて帰ろうとしていたところ突然、「ピカッ」と空に光が。気付いたら爆風で5、6メートル飛ばされた。町中の建物が破壊し尽くされ、後に自身も被爆による皮膚がんに苦しんだ。

 50年にセ・リーグに参入したカープは「試合をするたびに負け、お金もなかったが、みんなが『希望の星』だと思っていた」。市民は日本酒のたるで資金を集める「たる募金」で、球団の厳しい財政を支えた。被爆地に元気を与える存在として、市民に愛され、共に歩んできた。

 外木場義郎投手がノーヒットノーランを達成した試合では、列車の車掌室にラジオを持ち込み、車内アナウンスで試合結果を伝えたという。「乗客は喜んでいたが、上司から『業務以外の放送をするな』と怒られた」と笑い、今となっては良き思い出だ。

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