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【衝撃事件の核心】
「溺れる顔見て楽しみたい」〝悪ノリ〟逸脱少年グループの所業 釣り人連続突き落とし、スマホで動画撮影

捜査関係者によると、男子生徒が突き落とされた岸和田市の突堤には当時、被害生徒を含む中学生前後の少年3人と複数の高齢者の釣り人がいたが、グループの一人が「おじいちゃんだと死んでしまうから中学生にしよう」と提案。「やせていれば自力で(海から)上がって来られる」との考えから、最も細身だった被害生徒が標的になった。
56歳の男性会社員が突き落とされた忠岡町の現場でも、近くで30代の男性が釣りをしていた。ここではグループの一人から「若いと抵抗される」との声が上がり、ターゲットは年配の会社員に絞られたという。
リーダー格に逆らえず
府警はこうした状況から殺意までは立証できないとして、グループ4人を傷害と暴行の非行内容で補導。このうち事件を主導したリーダー格の少年と、謀議に加わって実行役を務めた2人を9月30日、児童相談所に送致した。
府警によると、リーダー格以外の2人はともに「(リーダー格の少年に)逆らえなかった」「気が進まなかった」などと話したという。
「自分の身が危なかったかもしれない」-。中学生グループが補導されると、釣り人から非難の声が一斉に上がった。
事件後、忠岡町の突堤で釣りをしていた50代の男性は「本当に腹立たしい」と憤った。釣果を聞かれれば教えるのが釣り人の心情といい、「ちゃんと答えてあげようという親切心を踏みにじった」と語気を強めた。
岸和田市の現場でも、釣りに来ていた20代の男性会社員は「いたずらにしてはやりすぎ」と批判した。