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「車ない理想の街」曲がり角 大阪・南港ポートタウン、高齢化・人口減で…通行規制緩和

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「車ない理想の街」曲がり角 大阪・南港ポートタウン、高齢化・人口減で…通行規制緩和

南港ポートタウンのノーカーゾーン入口に設置されている車両進入ゲート 南港ポートタウンのノーカーゾーン入口に設置されている車両進入ゲート

 介護士の山元典子さん(61)は「駐車場から重い買い物袋を提げ、かなり歩かなければならない。お年寄りも増え、不便で引っ越す人も多い」と話す。

 地元住民らは今年に入って規制の見直し議論を本格化。6月から実験的に緩和し、これまで許可が必要だった、高齢者や幼児を含む歩行困難者が乗った車やタクシー、荷物運搬車を規制対象から除外。ゲートの警備員に通行届を提出するだけで進入できるようにし、実験結果を踏まえ、9月から正式に緩和した。

ニーズに合わせ

 しかし住民の間で賛否の声が渦巻く。

 ある主婦は「足の悪いお年寄りを送迎するのに車が必要なのも分かる」と理解を示す一方で「車の騒音がうるさくなった」と、複雑な表情。パート従業員の宮下訓枝(くにえ)さん(51)は「車が何台も連なって平気で駐車している。ルールが緩くなり過ぎた」と話す。

 交通計画に詳しい大阪市立大工学部の日野泰雄教授は「欧州では、歩行者と車を分離する考え方が一般的だが、日本では非常に珍しい」としたうえで、「ノーカーの理念に共感して入居した世代が高齢化し、世代交代の時期を迎えている。住民のニーズの変化に合わせ、試行錯誤しながら元の理念は残す方策を見いだしてほしい」と話している。

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