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「車ない理想の街」曲がり角 大阪・南港ポートタウン、高齢化・人口減で…通行規制緩和

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「車ない理想の街」曲がり角 大阪・南港ポートタウン、高齢化・人口減で…通行規制緩和

南港ポートタウンのノーカーゾーン入口に設置されている車両進入ゲート 南港ポートタウンのノーカーゾーン入口に設置されている車両進入ゲート

 約2万人が暮らす大阪市住之江区の南港ポートタウンで、車に依存しない生活を実現しようと40年近く続く全国でも珍しい交通政策「ノーカーゾーン」が岐路に立たされている。公害や交通事故から住民を守り、緑豊かという“理想の街”だったが、高齢化に伴い、車を利用せざるをえない住民が増加。今年9月から一部の車両通行を認め、規制を緩和した。理想の街は今、現実との間で揺れている。

 (吉国在)

「安全で静か」

 人工島「咲洲(さきしま)」内にある南港ポートタウン。約1キロ四方(約100ヘクタール)の街は、大阪市が公害問題に対応する環境モデルとして整備を進め、昭和52年から入居が始まった。

 騒音や排ガス、交通事故から住民を守り、静かで緑豊かな街づくりを目指そうと、行政や警察が話し合い、道交法の車両通行禁止区域に指定。進入ゲート1カ所を設け、近くの南港中央交番か、約5キロ離れた大阪府警住之江署で許可を得ない限り、自転車を除く車両の通行を禁止してきた。

 駐車場も原則、区画外に借りなければならない。市港湾局によると、これほどの大規模コミュニティーでの車両通行の規制は全国でも他に例がないという。

 そうやって実現した理想の街を、タウン内に住む大学3年の女性(20)は「子供のころから車を気にせずに遊べたし、安全で静かだった」と説明する。

規制対象除外

 ただ、平成に入り、高齢化社会という現実が理想の街を覆い始めた。

 国勢調査の統計によると、昭和56年に南港ポートタウン線・ニュートラムの中ふ頭-住之江公園駅間が開通し、人口は急増。ピークの平成2年には約3万2千人に達した。しかし、その後は減少に転じ、市の推計では昨年は約2万1千人に落ち込んだ。とくに住民の高齢化は著しく、65歳以上の比率は31・7%。市全体に比べ約5ポイントも上回る。

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