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難しい判断迫られた裁判員 殺害依頼、証拠と矛盾せず 福井地裁

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難しい判断迫られた裁判員 殺害依頼、証拠と矛盾せず 福井地裁

 裁判員らは被害者の大学院生、菅原みわさん=当時(25)=の依頼があったとし、殺人罪に問われた前園泰徳被告(44)に嘱託殺人が成立すると判断した。公判では男女のトラブルが事件の背景にあったとすることに争いはなく、焦点は殺害依頼の有無だった。裁判員を務めた男性は「感情で判断しないようにするよう苦労した」と結論を出すまでの難しさを語った。

 判決は、事件直前の無料通信アプリLINE(ライン)のやりとりなどから「菅原さんが前園被告との前途に絶望して、自殺の意思を強めた可能性は否定できない」と指摘。菅原さんから殺害の依頼があったとする前園被告の供述は証拠と矛盾せず「嘱託がなかったと認定するには合理的な疑いが残る」とした。

 判決後に記者会見に臨んだ裁判員3人は、いずれも疲れた表情。会社員、松浦栄二さん(63)は「当初は本当に殺害を頼んだのか疑問だった」と打ち明けた。公判を通して考えを巡らせ、自分なりの結論に至ったという。

 判決が読み上げられた瞬間、緊張した面持ちで裁判長を見つめていた前園被告は、力が抜けた様子で息をついた。

 菅原さんの遺族は弁護士を通じ「最後に会ったみわは前向きに生きる気持ちにあふれていました。死人に口なしの結果としか言いようがなく、ショックを受けています」とのコメントを出した。

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