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人間魚雷「回天」の部品技術、時計修繕に 山口の大村さん、70年間「命」吹き込む

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人間魚雷「回天」の部品技術、時計修繕に 山口の大村さん、70年間「命」吹き込む

 山口市・小郡の商店街にある「大村時計めがね店」には、壊れた古い時計が全国各地から届く。店主の大村益穂さん(84)は戦時中、旧日本軍の特攻兵器だった人間魚雷「回天」の部品を作っていた。当時の技術を生かし、約70年にわたり時計に命を吹き込み続けている。

 動かなくなった掛け時計。椅子に腰かけ、作業机の引き出しから長さ約15センチの細い鋼の棒を取り出す。旋盤で加工し、足りない部品を器用に作り上げる。正規の部品が残っていない古い時計は、修理できる人も限られているという。

 広島県呉市で生まれた大村さんは13歳の時、学徒動員のため呉海軍工廠(こうしょう)で働くことになった。手先が器用だったことから上役に抜擢(ばってき)され、旋盤を使って小さな部品を作った。しばらくたったある日、上官から「大村、あれは回天の部品だぞ」と明かされた。

 昭和20年7月、米軍が呉市を空襲。両親と兄を亡くし、自身も大やけどを負って意識不明に陥った。死体と一緒に積み上げられ、焼かれる寸前のところで目が覚めた。

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