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【銀幕裏の声】米を席捲したカワサキのポリスバイク、“欠陥”の濡れ衣で敗訴も起死回生の逆転劇…“サムライ”と呼ばれた男(下)

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【銀幕裏の声】
米を席捲したカワサキのポリスバイク、“欠陥”の濡れ衣で敗訴も起死回生の逆転劇…“サムライ”と呼ばれた男(下)

最新のニンジャ、サーキット仕様のカワサキ「Ninja H2R」は百合草さんが目指した“世界最速”への情熱を受け継ぐマシンだ 最新のニンジャ、サーキット仕様のカワサキ「Ninja H2R」は百合草さんが目指した“世界最速”への情熱を受け継ぐマシンだ

 「テキサス州で白バイ警官が転倒する事故が起きたのです。それも何件も発生し、その原因がバイクの欠陥だとして集団訴訟を起こしてきたのです」

 1983年、カワサキ側は敗訴。その賠償金は当時の日本円で約100億円という巨額にのぼった。さらに米交通安全局はリコールするよう通達してきた。

 「社の上層部からは“もう会社はつぶれてしまうかもしれない”と言われました。しかし、私は絶対におかしいと思いました。バイクの安全性については、CHPやLAPDなどでの白バイ採用の厳しい合同テストをクリアし、絶対の自信を持っていましたから」

 百合草さんはすぐに米国の弁護士に相談したが、返事はつれなかった。「米国で判決を覆すのは難しい。リコールで応じた方がいい」。つまり泣き寝入りしろという提案だった。

 この対応に、いつも冷静で謙虚な百合草さんが怒りを爆発させた。「そんなばかなことがあるか。私たちは時間と労力を惜しまず安全で高性能なバイクを開発した。断じて欠陥バイクなどではない!」と。

事故が起こって当然? ずさんなメンテナンス

 百合草さんは直接、同局へ出向き交渉した。理路整然とした百合草さんの反論を聞き、同局は「調査のために1年間の猶予を与えよう」と提案してきた。ただし、立証責任はカワサキ側にあった。

 百合草さんたちはただちに調査を始めた。すると、驚くべき事実が明らかになってきた。

 日本と違い、米国の白バイ警官は自宅から白バイに乗って出勤、そのまま帰宅していた。バイク管理は個人に任され、毎月決まったメンテナンス経費が個人あてに支払われていたのだ。

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