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【理研が語る】iPS細胞で目の疾患を再現する!

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【理研が語る】
iPS細胞で目の疾患を再現する!

患者由来のiPS細胞から網膜を分化・作製するイメージ。疾患の発症過程を再現し、治療などに役立てる 患者由来のiPS細胞から網膜を分化・作製するイメージ。疾患の発症過程を再現し、治療などに役立てる

 リオデジャネイロ五輪、男子体操団体の悲願の金メダルを見届けた後に原稿を書き始めた。だが、しばらくはアスリートたちの活躍に「目が離せ」ず、夜中の中継を「血眼になって」見ることに。

 このように人の体の部位を用いた慣用句の中で最も多いのが「目・眼」を使った言葉だそうで、目の障害はバリアフリー化や社会の理解が進んでいるとはいえ、生活への影響が小さくない。

 私の所属する研究室では、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を用いて目の疾患を治療することを目指している。

 iPS細胞から作製した組織を治療に役立てる方法としては、疾患部位に移植する「再生医療」、発症に至るメカニズムを明らかにする「病態解析」、そしてこれを抑制・改善する薬を開発する「創薬研究」が代表的だ。私はこの中で、病態解析の研究に取り組んでいる。

 例えば、網膜色素変性症という疾患は光を感じる視細胞が障害されることで起こるが、その原因となる遺伝子が50ほど判明している。これまでは、原因遺伝子を特定すると、遺伝子の異常を再現した培養細胞やマウスを使って、視細胞の障害の進行状況を追跡するのが主流だった。つまり、間接的な実験結果を積み重ねて実際の患者さんの病態を予測するのだ。

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