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【高浜原発】初の県外避難 住民ら「イメージつかめた」「車殺到すれば渋滞に」 福井

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【高浜原発】
初の県外避難 住民ら「イメージつかめた」「車殺到すれば渋滞に」 福井

広域避難訓練でスクリーニングを受ける、福井県内から避難してきた住民=27日午前、京都府綾部市 広域避難訓練でスクリーニングを受ける、福井県内から避難してきた住民=27日午前、京都府綾部市

 関西電力高浜原発(福井県高浜町)での過酷事故を想定した27日の訓練では、30キロ圏(UPZ)に居住する福井県の住民約230人が、自治体が手配した車両で最大130キロ離れた兵庫県に避難した。大きな混乱はなく、住民から「県外へ避難するイメージがつかめた」との声が上がる一方、「想定外のことがあり、課題を解消することが必要だ」との指摘もあった。

 (鈴木俊輔、岡本祐大)

 午前9時ごろ、避難開始を告げるエリアメールが高浜町内に一斉送信された。小雨が降る中、住民らは指定された場所に向かうと、自治体が用意したバスに次々と乗り込んだ。

 バスは海沿いの国道27号を舞鶴方面へ進み、舞鶴東インターチェンジ(IC)から舞鶴若狭自動車道に入った。

 国道27号と舞鶴若狭道は片側1車線の区間が長く、トラックやバスが多い。有事の際は、交通事故や土砂災害が起き、陸路で避難できない恐れもある。訓練に参加した同町の介護施設職員、宮口雅吉さん(62)は「避難する車が殺到すれば渋滞になる。別の避難路を整備してほしい」と不安を口にした。

 バスは順調に進み、京都府との府県境を越え、舞鶴東ICに入った。その後、中継地点の丹波の森公苑(兵庫県丹波市)では、自宅から直接避難した住民も合流。車が集中することを防ぐために、バスに乗り換えた。別グループの参加者は、綾部パーキングエリア(PA)に隣接する、あやべ球場(京都府綾部市)で、放射性物質の付着を調べるスクリーニングと除染の訓練を体験した。

 午後0時10分すぎ、兵庫県宝塚市役所に到着。住民はやや疲れた表情でバスから降り、市役所の会議室で職員らに健康状態を確認してもらったり、支援物資を受け取る手順を確認したりしていた。高浜町の会社員、今田利正さん(66)は「事故は起きてはいけないが、訓練を通して県外へ避難するイメージができた」と話した。

 ただ、今回の訓練で県外避難したのは一部の住民のみ。高浜町は海水浴場が多く、毎年夏には県内外から訪れる海水浴客でにぎわう。事故時には海水浴客も避難する必要が生じ、このような人たちの避難も求められる。

 同町の農業、山本仁士さん(61)は「本当に事故があった時は想定外のことも起こる。訓練で出た課題を参加者が考えることが重要だ」と話した。

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