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航空機で大型台風観測へ 勢力予測の精度アップ狙う 名古屋大など、来年から

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航空機で大型台風観測へ 勢力予測の精度アップ狙う 名古屋大など、来年から

 大型台風の勢力を予測する精度を上げ防災に役立てようと、名古屋大や琉球大などが平成29年から航空機を使った観測を始める。平成32年までに4、5回飛行する方針。今年は使用する受信機などの製作に着手する。

 名古屋大の坪木和久教授(気象学)は「温暖化が進めば、スーパー台風が来る恐れがある。しっかりした防災計画が立てられる環境を整えたい」と意気込む。

 台風の勢力は中心気圧と風速で示される。航空機による観測は戦後、米軍が行ってきたが、気象衛星を使った予測技術の向上で昭和62年に終了した。

 だが台風の勢力予測は過去20年間であまり改善せず、風速が毎秒40メートルを超える台風では、気象庁と、台風を監視している米気象当局の予測に差が生じることもある。

 観測に使う航空機は民間のジェット機をチャーター。鹿児島や那覇などの空港から離陸し、台風の勢力が強まる沖縄本島の南方から南西諸島の海域で観測する。台風の目から数百キロ離れ、通常の民間機が飛行するのと同程度の条件という。

 データ収集自体も目的の一つで、台風の周辺に落下傘付きの観測器を20~30個程度投下して、温度や湿度、気圧などを高度ごとに測定する。地上からは、降水レーダーと雲レーダーで雨や雲の広がりを調べ、雲の粒子や密度の内部構造を探るため、顕微鏡付きの気球も飛ばす。台風は海からの水蒸気を取り込んで発達するため、ドローンで海から台風に吸収される水分量を観測する。

 観測で得たデータは名古屋大や気象庁気象研究所のシミュレーションモデルの改善に使う。坪木教授は「気象衛星などと組み合わせ正確な予測をすることが重要。将来は東アジアの国々で台風の監視と予測ができれば」と期待を込める。

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