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【浪速風】五輪と終戦の日(8月15日)

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【浪速風】
五輪と終戦の日(8月15日)

 全国戦没者追悼式で黙とうされる天皇、皇后両陛下=15日正午、東京・日本武道館  全国戦没者追悼式で黙とうされる天皇、皇后両陛下=15日正午、東京・日本武道館

 かつての五輪では、閉会式直前の最終競技として、馬術の大障害飛越が行われるのが慣例だった。優勝国賞典競技と呼ばれ、これに優勝した国が真のオリンピック・チャンピオンとされた。その栄誉に輝いたのが1932年のロサンゼルス大会の「バロン西」こと西竹一陸軍騎兵中尉である。

 ▼愛馬ウラヌス号を駆って優勝し、インタビューに英語で「We won(我々は勝った)」と答えた。人馬一体を表現した言葉は、前年の満州事変で日本非難が高まっていた米国民にも感銘を与えた。その後、西は戦車隊を率いて硫黄島の守備に赴く。ウラヌスのたてがみとロス五輪で使った鞭を持って。

 ▼戦後の創作とする説もあるが、上陸した米軍が「バロン西、出てきなさい。あなたを失うのはあまりに惜しい」と呼びかけたエピソードは有名だ。硫黄島の日本軍は玉砕する。西の死から1週間後にウラヌスも死んだ。リオ五輪の最中の終戦の日に、平和の尊さをかみしめる。

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