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【理研が語る】ゲノムの「余白」の謎に魅せられて

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【理研が語る】
ゲノムの「余白」の謎に魅せられて

マウスの受精卵に微量の遺伝子を注入して行うゲノム編集 マウスの受精卵に微量の遺伝子を注入して行うゲノム編集

 この技術を哺乳類に応用する試みが成功し、急速に解析が進んだ結果、この余白の中の配列の機能が発生調節遺伝子のスイッチであることが明らかになった。

 ところが謎はさらに大きくなる。その後、余白の中に続々と同様の保存配列が見つかってきたが、そのほとんどが機能を解明できないものだったのだ。またその大きさも、当初想定されていた長さより千倍以上もあることがわかり、従来の遺伝子導入法では手に負えなくなってきた。

 ところが2013年に革命的なゲノム編集技術、CRISPR(クリスパー)法が登場して直接動物ゲノムを改変できるようになり、技術上の問題が一気に解決した。私たちはこの方法により、ゲノムの中の「余白」が生物発生や進化において果たす役割の解析を進めている。

 謎を解決すると次の謎が現れる。技術の進歩によってまた新しい謎が現れる。だが、歴史を振り返れば、科学者たちが挑戦した謎は大いにその後の科学の発展をもたらしてきたのだから、迷うことなく進んでいこうと思う。

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