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【理研が語る】ゲノムの「余白」の謎に魅せられて

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【理研が語る】
ゲノムの「余白」の謎に魅せられて

マウスの受精卵に微量の遺伝子を注入して行うゲノム編集 マウスの受精卵に微量の遺伝子を注入して行うゲノム編集

 ヒトはなぜクイズに挑戦しようと思うのだろう。解けたときの喜び、あるいはご褒美を求めてだろうか? いや、謎を見つけるとそれを解決せずにはいられないのは、眼前のリスクを理解し、解決しようというヒトに備わった一種の本能の表れではないかと思う。

 研究者が「謎」への取り組みに没頭していくのも同様で、独自の感覚でこれは解決すべき謎であると確信しているからだ。私の謎との出会いは、動物のゲノム(全遺伝情報)配列が決定されていく過程でおこった。

 哺乳類ゲノムのうち遺伝子が占める部分は実はほんの数%であり、大半を占めているのは非コード領域と呼ばれる、いわば「余白」のようなDNA配列であった。この場所に生物進化上5億年以上も保存されている配列が見つかったのである。これは並外れて重要な機能を示唆するが、いったいこの配列は何だろうか?

 当時私は米国で遺伝子導入マウス作成の手法を学び、帰国したところだった。DNA配列の機能解析をこの方法で行えるが、手間と時間がかかるのが難点だった。帰国後に日本発の技術である、Tol(トル)2と呼ばれる動く遺伝子を利用した遺伝子導入技術と出合った。

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